2008年04月20日
小説

ある恋人がいる
一見ありふれた普通の恋人のようだが
彼は夢を追っている
中々叶わない夢だけど、それでも諦めずに
何年も追い続けている
そして、それを支えようとしている彼女がいる
何年も彼の夢が叶わず苦しむ姿を見た
自分に出来ることは何なのか…いまだに何もできてない自分に腹がたつ。
いつもどこかで「邪魔しかできない」と思っている
ある年に彼は夢だけでなく他の仕事の試験も受けると言い出した。
それまでは夢一筋だったのに。
彼女はどこかで安心してしまった。
「早く、夢から解放されて楽になってほしい」そう思えた。
彼はいつも優しく笑っている。
でも。
でも、彼女はこう思わずにはいられないのだ。
「私が夢を諦めさせてしまった。」
彼女の存在が。
関係ないとは言い切れないように思えた
応援どころか
夢を奪っているのは私?
私さえいなければ彼は自由に夢を追い続けられるのでは
私にできる唯一のことは…
離れるということ?
決して彼には言えない悩みと苦しみが
いつも胸の中にあって
私といつか生きていくために、用意しようとしてくれている未来が
とても幸せな傍ら
彼の、男の、夢を諦めてしまった絶望感を
どうすることもできない
私の決めた未来じゃない
でも
やっぱり離れてあげることが
自分に出来る最後のことのように思えるのだった。
はい、どーん。
あなたならどうしますか??
Posted by えあ at
09:44
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